北里大学 獣医学部

私は學進会に6年間お世話になりましたが、現役で合格することができませんでした。そして、去年の春に駿台予備校へ行くことを決めました。駿台予備校の第一印象は、「高校とほとんど変わらないところだな」というものでした。予備校というものに大きな期待を抱いていた私にとっては、學進会との違いを大いに感じることとなりました。ここでは、その違いについて述べたいと思います。

 まず進路指導については、教務という専門の方々がいらっしゃいます。(駿台は学力別にクラス分けされていて、教務はそのクラスの担任も兼ねています。)教務は駿台の膨大なデータを基に生徒にアドバイスされますが、如何せん生徒数が多いため生徒一人一人のサポートが希薄になっている印象があります。そして、現場の先生方が話しをされるのではないので、生徒の性格、特徴、人間性、その他諸々を加味せず、模試の判定、数字だけをみて判断されます。
まずその点が學進会との大きな違いだと感じました。

 また、各教科についてもそれぞれ違いがありました。
 数学については、各単元ごとに先生が変わるので、答えに至るまでのプロセスや、答案の書き方がまちまちでした。例えば、やたらと場合分けする先生や、まずは実験を試みる先生、いろいろな方がいらっしゃいました。ですから、學進会のように先生の答案を真似るというよりも、良いと思った書き方、考え方を盗んで、これまでの自分のやり方に肉付けをするという感じでした。

 英語については、先生の言うことが本当にバラバラで、一つ一つの授業がリンクすることが少なかったです。例えば、語源を推す先生、それを否定する先生、「単語帳なんて燃やしてしまえ」とおっしゃる先生などがおられました。

 次に化学についてですが、正直駿台の化学は高度すぎます。大学に行ってから学ぶような、受験には無意味なこともあります。しかし、東大・京大・医学部など理系の最難関を目指すのであれば、それについていかなければならないようです。
 正直私はついていけませんでした。

 生物に関しては、化学のように受験の範囲外をやるということはありませんが、こなす量が膨大です。本当に膨大です。必死でついていかなければ、すぐに置いていかれます。しかし必死でついていけば、一年で受験生物を習得できるのでしょう。

 次に国語についてですが、国語は「1つの文章をどこまで深く読むかが鍵。予習は自分の分からないところを明らかにするだけで十分。予習よりも復習に力を入れること。」これが駿台国語科の方針のようです。特に古典の先生が口を酸っぱくしておっしゃっていました。

 最後に一番大きな違いについて述べたいと思います。それは現役と浪人という立場の違いがもたらすメンタル的な違いです。
 正直浪人は辛かったです。友達が楽しい大学生活を送っているのを尻目に、自分は机にかじりついて勉強しなければなりません。もうあとはないという切迫感と戦いながら、それでも予備校の友達と志気を高め合っていきます。ストレスは相当なものでした。
 私は勉強中に気胸(肺に穴が開く病気)を患ったりしました。鬱になって帰省した友達もいました。それほど現役と浪人との間には、メンタル面での違いがあります。

 しかし合格した今では、「妥協しなくて良かった。諦めなくて良かった。」と思っています。

 多少駿台を批判的に書いたところもありましたが、駿台から得たものもとても大きかったです。勉強とはまた別の、現役合格をした人には絶対に分からない社会勉強もしました。以上が浪人して私が感じたことです。

 最後に…できればこのセリフを去年言いたかったのですが、6年間+1年、本当にありがとうございました。