東京海洋大学 海洋工学部

僕は小学5年生の途中から入塾して、7年以上學進会に通いました。入塾する前に母に連れられて初めて學進会に行った時、塾頭に「本気で勉強する気はあるんか?」と聞かれ、子供心に「お金を払うのは親なのに、なんでそんなことを聞くんだろう?」と思った記憶があります。
 中学受験を目的としたクラスに入ったこともあり(結局受験はしませんでしたが)初めて「授業についていけない」という経験をしながらも、なんとか小学校を乗りきりました。そして中学校に入り、塾頭の授業を受けるようになって、入塾前のあの疑問の答えを知ります。

 塾頭は関係の無い生徒までが泣き出すくらいの勢いで勉強を疎かにする生徒を叱ることが度々あります。もう塾には行きたくないと思う人が出てきそうな激しい雷が落ちる中、僕は思いました。「この人は商売として塾をしているだけじゃないんだと…。
 後に塾頭からも直接何度か聞くことになるのですが、學進会は、勉強する気がある生徒の学力を伸ばすための塾だから、その気のない人は来てもらわなくて結構、ということなのです。考えてみれば、寝ていようが何をしていようが、授業に出させていれば利益は出るのだから、わざわざ叱る必要はありません。塾経営者としてはある意味問題ありです。(笑)

 そんなわけで、どの授業でも生徒は静かに机に向かい、時々先生の冗談で笑いが起きるという中学校ではあり得ないような環境で授業を受けていた僕ですが、高校受験が近づき生徒数が急激に増えていくにつれ、Flapコースから外れることがでてきました。それからは、受験のためというより、Flapコースにいるために勉強していたように思います。

 高校に入学するとこれまでとは比べものにならないほど学校の勉強が難しくなり、困惑しました。今までは、塾の授業を受けて宿題をこなしているだけで何とでもなっていたのに、塾の授業の内容自体が難しくて、ただ受けているだけでは対処しきれなくなりました。
 もともと進んで勉強するような人間ではないので、しなくてはいけない環境を作るために塾の自習スペースで自習し始め、その内日曜日以外は、毎日夜10時まで塾にいるようになってしまいました。

 高校1年生の9月頃、偶然「経営工学」という学問を見つけます。特に将来の夢もなければ、つきたい職業も決まっていなかった僕は、「理系として経営・経済が学べる」という理由だけで興味を持ち、他に気になる学部もなかったため、いつの間にか経営工学部に行くつもりになっていました。
 そんな成り行きで決めた進路でも心の支えになるもので、おかげでかなりモチベーションを保つことができたと思うので、なるべく早く行きたい大学や学部を決めることをオススメします。

 3年生になり受験が近づいて、後悔したことがあります。それは、「何となく理解したつもり、覚えたつもりで置いておいてしまった事柄」のことです。

 學進会の先輩としてのアドバイスですが(特に理系の人)、受験前には総復習のための十分な時間はありません。僕は中学校のノリで「授業が一通り終わった後」に甘い期待をしていましたが、學進会のペースでも不十分でした。もちろん学校においては、そんな時間はほとんど無い教科もありました。ですから、授業で学習したことは次の授業までにいったん完璧にしておくこと!!これがとても重要だと思います。いったん完璧にしておいたものとそうでないものとでは、復習のしやすさが全く違います。
 そんな後悔をしながらの追い込みでしたが、塾頭に「二次に弱さがあるが、センターをとれば無理なことはない。」と励まされ、センター対策だけはしっかりしてセンター試験に臨みました。

 1日目の第一解答科目が第一志望に必要なかったのが幸いしたのか、自分でも驚くほど緊張しませんでした。おそらく塾で度胸を鍛えられたおかげもあると思います。
 残念ながら第一志望のボーダーラインには届かなかった上、その学部がある国公立大学が10校もなく、自分に合ったレベルの大学が見つからなくて、イマイチ踏ん切りがつかずにいました。
 そこで塾頭に出してもらった出願候補大学の資料の中から、少しズレるけど思っていたことに近いことが学べる大学に出願しました。

 センターの結果で見ればまずまずでしたが、二次の実力が足を引っぱっているのが目に見えていたので、二次試験前日はなかなか寝付けず、終わった後も過去最低点と手応えをつきあわせては、「そんなことをしても意味はない」と、自分に言い聞かせることを繰り返し、発表の前日も寝付けませんでした。
 そんな有様だったので、自分の番号を見つけた時は喜びよりも安堵の方が大きかったです。

 ここまで自分の体験談を書いてきましたが、最後は先生方へのメッセージで締めくくりたいと思います。

塾頭へ
 塾頭の授業は、怒らせると一番泣きたくなる授業だけど、それ以外の時は一番楽しい授業でした。これからも生徒に恐れられながらも慕われる先生として學進会の名を全国に轟かせてください。ありがとうございました。

森口先生へ
 英文を通して世界の歴史、文化の違い、工業技術…と、さまざまなことを教えていただきました。お体には十分気をつけてください。ありがとうございました。

東先生へ
 おかげさまで先生に間違った答えの理由を聞かれたら、条件反射で冷や汗が吹き出るようになりました。これでどんな圧迫面接にも耐えられそうです(笑)。ありがとうございました。

片山先生へ
 質問しに行った時にわざわざ黒板を使っていただくなど、丁寧な指導をしていただきました。ありがとうございました。

林田先生へ
 二次試験の英語が英作のみだったのをなんとか出来たのは、文法の授業のおかげです。ありがとうございました。

桐村先生へ
 「先生に教わって物理が出来るようにならないはずがない!」という安心がなければ、化学Ⅱを捨てて物理Ⅱ一本に絞るということはできませんでした。ありがとうございました。

田中先生へ
 小学、中学と先生に社会を教わっていたおかげで、ほとんど勉強せずに地理Bを乗りきることが出来ました。ありがとうございました。

花田先生へ
 恐くて塾頭には聞けない問題…もとい…塾頭の手を煩わせるまでも無い問題を気軽に質問させていただきました。ありがとうございました。

塾頭の奥さんへ
 その明るい笑顔に接して、どれだけの受験生が救われたか知れません。これからも「學進会のお母さん」として生徒を見守ってください。ありがとうございました。

 學進会で学び続けていなければ、こうして合格の喜びを綴ることは絶対にできませんでした。本当にありがとうございました。