帝京大学 医学部

中学時代
 學進会に入塾したのは中学1年の5月下旬です。
 初めての授業は桐村先生の数学でした。先生の授業は、多くの色を駆使し(時には5色)、文字がキレイで見やすい板書だという印象でした。

 中学2年生になり、ウワサの塾頭の授業(数学)を受け始めて驚きました。実は私は、『宿題ノートを提出してコメントを書かれた上で返却』というシステムの全国規模の中学受験予備校に通っていたのですが、塾頭が書かれたコメントは、本当に一人一人の授業中の様子や学力を把握した上でのアドバイスであり、その量も密度も段違いでした。私は、自分のノートや他の友達のノートに書かれたそれらのコメントの中でも、特に有用なアドバイスをカラーコピーしてストックしておき、宿題の問題を解く最中や授業ノートをとる際に参考にしていました。可能なら…高校部でもこのシステムを続けて欲しかったのですが…人数が多いので仕方ありませんでした。残念です。

 現代文は中学時代に東先生にお世話になりました。私はなかなか反抗的な生徒であり、東先生の授業を受けている方には冒涜行為と罵られても仕方ないのですが…宿題を解くときにその答えを選んだ理由を考えず、授業中に先生に指名されて答える瞬間に考えて答えていました。自慢でも何でも無いのですが、もともと少し頭の回転が速かった私は、愚かなことにこの方法を採用してしまっていました。おそらく先生にはバレバレだったと思います。浅はかでした。

高校時代

 林田先生には英文法を教えてもらいました。先生のコアなファン?には分かると思うのですが、先生はチャレンジャーです。いろいろな勉強法を仕入れ、我々に紹介してくれました。いろいろな英語の参考書や記憶法など…。私、実は先生の隠れファンでして、歴代學進会生の中でもトップクラスの参考書マニアかつ勉強法マニアだと自負しているのですが、原点は先生にあります。中でも秀逸だったのは、書店に一冊あったらラッキーな百式英単語です。当時の私はマインドマップに凝っており、英単語を語源から覚える方法を採用していたのですが、百式はマインドマップより速く、しかもより正確に記憶することができ、目からウロコでした。西田先生、ぜひこの百式英単語を検討、採用して下さい。

 片山先生にも大変お世話になりました。失礼を承知で書きますが、私に免じて?許して下さい。先生は板書のミス、転記ミスが多く、数学だと係数の数字がいつの間にか累乗の指数に変化していたりしていました。もちろん先生はミスに気づき修正なさるのですが、私は先生のこの性質に目をつけ、先生がミスに気づく前に気づき、自分のノートに正しい計算をすることを目標にしていました。こうすることで、より授業を能動的に受けられ、集中もできました。私流の工夫だと思います。
 実はこの話しにも理由があり、これも冒涜行為と言われるほどの行為なのですが…私は、先生のある授業でこともあろうか、内職をしていました。先生が当然見過ごすはずもなく…注意されると…隣の教室で授業をしていた塾頭が自分の授業を切り上げて飛んできて…『誰じゃぁ!授業中に内職しとる奴は!!”』と怒鳴り込んできました。心臓がわずかの間ですが、本当に鼓動をやめていたと思います。「僕です。。。」『誰じゃぁ!!』「僕ですっ!」『退塾じゃ!!』「もう一回、チャンスを下さい!!」という出来事が根底にあります。

 桐村先生には迷惑をかけた、正しくは不快な思いをさせた、かもしれません。先生のおかげで私の最も得意な教科は化学であると自信を持って言えます。事実、學進会の恒例の化学小テストの歴代平均点の中で私の得点は97点オーバーで最高であり、おそらく今後この点数を超える人は5人といないでしょう。(←自慢です)
 しかし、私は我流で化学や生物を学んでいたので、『いや、僕のゴロの方がイイ』とか、『その解釈は理解しにくいな~』などと反抗的な態度をしばしばとっていました。
 先生の板書は塾のHPにも載っているくらい有名で、もしかしたら塾頭よりも体系立っているかも知れません。あれほど見やすく計算された板書を私は他に知りません。芸術作品として観賞用にも楽しめます(笑)。

 森口先生には、言わずもがな英語を鍛えてもらいました。英語が苦手だった私は(偏差値にして63)森口先生の授業を全授業の中で最も多く受け、授業中には珍妙なことも発言してしまっていたと思いますが、なんとか使えるレベル(偏差値にして70)には持って行けました。今年の入試でも、英語は9割以上の得点率で安定していました。(私立医学部入試はそれでも安全圏では無いところが恐いのですが)
 また、先生の知識の量にも驚かされました。私は雑学が好きで、ある程度広く、興味のあることは深く知識を収集していたのですが…先生は広く浅くのタイプでしたが、知識の支配範囲はものすごく広いです。

 最後になりましたが…塾頭
 始めに謝辞を…かなり迷惑をかけました。おそらく叱られた量としては私は歴代の塾生の中でも優秀な方でしょう。私個人のせいで授業が中断されたこともあります。参加していた皆さんには申し訳ないことをしました。合格体験記と言うより告解報告に近いですね。
 先生には数学の力を引き出していただきましたが、それより大きな得がたい経験も積ませてもらいました。この合格体験記を書くにあたり、過去の先達のそれを全て拝見しましたが、私の言いたいことが全て書かれていたので、ここで私が書くのは、私固有のエピソードにします。
 高校2年のある日…私が3Fで自分の志望校を伝えたとき、塾頭は言いました。
『ウルトラマンになるつもりか?』
 当時の若かった私は思いました。
『まだ受験もしていないのにそんなこと、分かるはずが無い。』
 この予言は…結果的に塾頭に軍配が上がりました。しかし、私は気づくのに時間がかかりすぎました。今から思えば分かります。
 學進会の諸先生方は、面談資料に学力のことよりも私の性格のことについて重きを置いて書かれていたようです。
 『能力はあるのに性格が災いしている』
と、面談の際にも塾頭に言われ続け、自分の実力(身の程)や、謙虚さの重要性に気づいたのは、最後の面談の時でした。

 受験は自分自身が努力しないと成功しない。
 學進会の神髄はここにあります。

 漫然と授業を受けるのでは無く、自分で知識をかみ砕き、自分で問題を解くことで初めて学力が身に付きます。
 だからこそ、學進会は努力する人の味方なのです。
『努力しない生徒は、退塾してもらいます。』HPにもそう書かれています。

 ただ…気づくのが遅すぎました。

 結局浪人し、予備校は特待生制度で全額免除となった姫路にある予備校に通いました。
 全体のうち、浪人をして成績が伸びる生徒は3割、成績を維持させるのがやっとの生徒は4割、成績を落とす生徒は3割という法則があるのですが…私は成績を伸ばすのに成功。総合偏差値も70を超えるようになりました。センターの問題も累計270年分以上解き、100点以上伸ばすのに成功しました。

 ここで少し、私立医学部の受験について説明します。
 私立医学部は年々その人気度に拍車がかかり、2009年度は7万人、2012年度は8万人、今年2013年度は9万人以上の志願者がおり、全学部入試の中で最も倍率の高い入試となっており、これを突破することは容易ではありません。
 さらに受験者のレベルが高く、高得点争いになるので、文字通り1点のミスが致命傷になります。
 私が受験した今年は、帝京大学8000人、東海大学4980人もの志願者に対して、定員はそれぞれ100人、70人…倍率はそれぞれ80倍、71倍ということで、国立志望の方でも突破することは厳しいものです。これらの倍率は今世紀初ということで、この勢いはさらに強まるでしょう。あまりにも志願者が多すぎ、急きょ試験会場を増やす大学(東海大学や大阪医科大学など)も珍しいことではありません。

 結果、正規合格に帝京大学。補欠合格に杏林大学と東海大学をもらいました。一昔前なら、私立医学部は金持ちのボンボンがいくところだったのですが、最近の私立医学部入試は難易度が上昇し続け、激戦となっています。

 進学先は唯一正規合格をもらえた帝京大学です。何かのご縁があると感じ、多額の学費を出してくれる両親に感謝しつつ、この大学で医療の基礎の全てを学んでいきます。

 學進会の先生方、奥さん…7年間見守って下さり、勉強やマナーのイロハを教えていただき、學進会に通えたことは僕の大きな財産です。

 大学ではこの個性を存分に発揮し、暴れ回ってきます。

 本当に、ありがとうございました!