航空保安大学校 航空電子科

まずこれを読んでくれている後輩さん!アドバイスとして先にいわせてください。「苦手は作らないように!」

 理系科目が苦手な理系である私は、センターで失敗し、2次でも上手くいかず第一志望に落ちました。私のようになりたくない人は、苦手、克服してください。

 第一志望に落ちたのに合格体験記?変ですよね。しかも私はほとんど努力もせずに室蘭工業大学、帝京大学、今行くことになっている航空保安大学校に合格しているので、正直、これを書く資格ないと思っています。けど一応、第一志望を目指すにおいては努力したので、そのことをつらつら書かせていただこうと思います。読んでいただければ幸いです。

 理系科目が苦手。そう書きましたが、特に私はどうしても物理ができませんでした。物理でいくと決めての最初の模試、点数20点以下…呆然です。悲しくなりました。まさかここまでできないとは…。
 桐村先生に結果を見せたとき、先生は渋い顔をしてこうおっしゃいました。「まずは基礎やな。」
 私は高2の時、物理を使う気が無くて、塾の授業をとっていませんでした。学校でも、どうせ要らないしほとんど勉強しないという始末。そういうわけで高3になっても物理の基礎がからっきしだったんです。
 先生の言葉を聞いてからは必死でやりました。具体的に言うと、本屋に置いてある物理の公式集や解説書みたいなものを買って読んでみたり、夏休みにPlus教室のチケットを活用して基本レベルの問題ばかりを解いたり、分からない問題を先生に聞きに行ったり…。
 端から見れば低レベル。でも私にとってはすごく重要なことでした。そんなことをしていると、夏の終わり頃には少しはマシな点数が模試でとれるようになりました。継続は力なりです。点数が上がったということで、単純な私は物理が大好きになりました。(大好きでも苦手なのは変わらなかったのですが…)今では、科目の中では一番好きです。
 センターでは失敗したけれど、職業柄、物理は必須なので嫌いなまま引き続き学習なんてことにならなかっただけ、あの努力は無駄じゃなかったと思います。

 ……職業柄?そうです。私実は就職なんです。学校行くのに就職なんて意味不明ですよね。少しだけ私が行く学校の説明をしたいと思います。

 航空保安大学校、略して航保大は名前の通り航空関係について学ぶ学校なのですが、ビックリなことに、授業を受けながら給料が出ます。(安いですが)つまり学生職員です。
 そもそも航保大は文部科学省ではなく、国土交通省管轄です。だから学校選びの時に塾頭に教えてもらうまで、私はその存在すら知りませんでした。あの時教えてもらわなかったら、私は今頃遠い北海道に旅立つことに…
 塾頭には本当に感謝しています。ありがとうございました。

 このように航保大は、学校自体が特殊なのですが、受験の仕方も変わっています。
 試験は2段階。まず筆記試験です。科目は一般教養と数学と物理です。ぶっちゃけ、私は一般教養なんてほとんど勉強していません。でも通りました。そのレベルです。数学と物理もセンター対策をしていればその延長でいけます。
 筆記試験に受かれば、次は面接と健康診断です。これに受かれば合格です。面接対策は…学校で1回やっただけですね。多分、私大のそれよりも軽い感覚で受けられます。健康診断は…普通に生活していれば大丈夫です(笑)ただ、色盲の人には難しいかも知れません。
 私は無事この2段階目も突破し、晴れて合格。これで安心…かと思いきや、実はまだありました。私の席次は39位で、採用されるのは30人まで。9人の人が辞退してくれないと採用じゃなかったんです。内定の電話が来るまではヒヤヒヤでしたね。だけど無事?9人辞退してくれて、私は決定通知書を手にすることができました。本当に良かったです。

 このように私は、ほとんど努力することなく(ドキドキはしましたが)、今いくところを決めました。けれど、当時の私の本命は別にあったんです。そこに受かるために、私なりに1年間頑張りました。人生で一番頑張ったかも知れません。これは大袈裟なんかじゃなくて、本当に受験生活は私にとってとても苦しいものだったんです。
 大好きなSNSや漫画を封印し、毎日毎日勉強勉強。楽しいことをしていても、そのあとまた勉強しなければならないと考えると気分が落ちました。
 「受験なんてやめたい!」と、何度思ったことか。辛すぎて泣いたりもしました。そんな私が、それでも頑張り続けられたのは、両親、友達、そして何より塾の先生方の存在があったからです。
 私が泣いてしまったとき、両親は真剣になって励ましてくれました。いつもグチってばかりの私でも、友達はそばに居てくれました。そして私に元気が無かったとき、塾頭が私の頭をポンとして「頑張れよ」と言ってくれました。私はそれだけですごく元気になれたんです。
 また、授業中におっしゃった「泣いてる暇があったら、勉強しろ」という言葉は、私に喝を入れてくれました。
 私にとって周りの人達の存在は、何にも代えがたい大切なものでした。

 今こう思えているのは、受験期間があったからこそだと思います。もし苦しい思いをしていなければ、人の優しさをここまで噛み締めることはなかったでしょう。
 受験はその点を考えると、人生においてとても大切な体験だったと思います。だから、後輩さんも負けずに頑張ってください。

 最後になりましたが、こんな私を支え続けてくれた先生方、ありがとうございました。変な質問をしたりして困らせてしまったこともあったと思います。それでも最後まで応援してくれてとても嬉しかったです。
 學進会で学べたことは私の誇りです。これからもここでの思い出を糧にして頑張っていこうと思います。
 本当にありがとうございました。