浜松医科大学 医学部医学科

 まず初めに、合格体験記を書くことが非常に遅くなってしまったこと、申し訳ありません。掲載されるかどうかは、塾頭の判断におまかせします。遅くなってしまったのには、私の後回しにしてしまう性格と、さまざまなタイミングの不一致という理由があります。これについては字数の都合上割愛します。


 私は、後期試験で浜松医科大学医学部医学科に合格し、2021年の4月から、浜松で医学生としての生活を行っています。入試に関しては、刻一刻と状況が変化していき、私の情報ももう古いものであるので、あまり話さず、いつでも大事な、本当に皆さんに知っておいてほしいポイントを二点だけお話させていただきたいと思っています。
 
 一点目は、「芯を強く持つ」ということです。
 私は小学校4年生のころから、医師の道を志していました。そこから受験の時まで、成績が思うように伸びなかったことも、部活との両立に悩んだことも、医学部を目指すということに関して、周囲の人から、いろいろなことを言われたこともありました。それでも私が夢をあきらめず、勉強と部活を続けたのは、「どうしても医師になりたいし、部活も大好きなので続けたい。周囲の人に何と言われようと、これは私の人生で、進むのは私。その人たちに迷惑が掛からない限り、私の人生を周囲の人の意見に影響されて決めてたまるか。」という強い思いがあったからです。この思いを芯に強く持っていたおかげで、なかなか成績が伸びなかったり、疲れていて勉強するのがつらいときなども、泣きながら勉強したり塾に行ったりしました。
 また、自分で決めて行動をすると、逃げ場がなくなるというのもこのポイントの重要な面です。他人に影響されて動くと、辛くなった時に、他人に責任転嫁をして逃げ道を作ることができます。その点、自分で決めて行動すると、自分がその道を選んだのだから、自分に全責任があって、逃げることは自分を裏切ることになります。なので、なかなか簡単に逃げられなくなります。嫌なことや苦手なことから逃げがちだった私にとっては、これが勉強に向き合うのに、非常に効果的でした。その根性のおかげで、私は自分の夢をかなえるスタートラインに立てたと考えています。
 そのためこの体験記を読んでくださった皆さんは、自分のやりたいこと、大切にしたいことは何か、しっかり考えて、それを芯に持ち、行動していってほしいと思っています。あなたがどんな大学・専門・短大に行ったか、就職したか、ということだけがあなた自身をはかるものではないと思います。そこからが人生本番で、そこからどのように生きるかが、あなたの人生を作っていくと思います。もちろん学歴があれば得をすることもあります。また、学歴は、その人の努力によって得た功績の一つです。学歴を得ることは簡単なことではないし、得たものはその人の大切な財産です。でも私は、自分の進みたい道に進み、やりたいことができ、死ぬときに「いい人生だった。」と思える、悔いのない人生を送ることも学歴を得るのと同様に、価値のあることだと思います。その為に勉強を「手段」として使ってください。勉強ができれば、選択肢は広がります。自分のやりたいことをかなえるため、芯を強く持ち、勉強してください。

 二点目は、「とにかく行動を起こして、いろんな経験をする」ということです。
 これは受験全般において大切ですが、医学部においては特に大切なことだと思います。いろんな経験を積むことは、多様性の理解や自分の新しい興味関心の発見など、さまざまなことを獲得することにつながります。今日、ほとんどの医学部で面接が必須になり、人間性が重視されるようになっています。様々な視点から物事を考える力や、他者の考えを受け入れつつ持論を展開し、議論を行っていく力などを求められるのです。勉強ができるだけじゃダメなのです。ただ、こういった経験は、京都の北部にとどまっているだけではなかなか得られるものではありません。自分から、もっと広い世界に飛び出していってください。実際に私も留学や大手予備校が主催する医学部受験に関しての説明会や、特別講習などのイベントに足を運びました。自分の知らない世界を知りたい、というのが最も大きな理由ではありましたが、もう一つの理由として、自身の受験に役立つ情報を得たいというものもありました。これらは今の私を形成する重要な経験です。しかし、飛び出していくにも情報が必要です。
 情報収集の手段として、私は学校の進路指導室の前の掲示板などをよく見に行ったり、塾の先生との面談の際に色んな受験の情報を伺ったりしました。何よりもまず、行動を起こさなければ何も変化は起きません。進路が決まっている人もそうでない人も、とにかく行動してください、迷っている時間がもったいないです。失敗するのが怖いかもしれません。でも、やらない後悔より、やって後悔のほうがいいと私は思っています。行動して、経験して、失敗したり成功したりして学んでいきましょう。

 うまくまとまっていない文章を長々と書いてしまいました。すみません。ここまで読んでくださった優しい方、ありがとうございます。一大学生の一つの意見として参考程度に聞いていただけると嬉しいです。

 最後になってしまいましたが、小学校4年生からずっと、學進会にはお世話になりました。長い間本当にありがとうございました。
 塾に入るときや帰るときの挨拶に先生方が大きな声で返事をしてくださる環境や、笑いと緊張感の混在している授業環境は非常に楽しく、心地よいものでした。
 前期に落ちてしまった報告をしに行ったときには、そうか、がんばれとだけ言って多くは言わず、後期に受かった報告をしに行った時には、大きな声を出して喜んで、よく頑張ったとほめてくださった塾頭、奥さん、小学生のころから本当にいろいろとお世話になった桐村先生、花田先生、東先生、田中先生、今は退職されましたが、入塾したての私の性格を見抜いて私の痛いところを突きまくり、私の悪い癖をなおしてくださった片山先生、英作文の授業では生徒皆で頭を悩ませてしまった栗林先生、たくさんの先生方にお世話になりました。先生方の力をお借りして、私は夢のスタートラインに立つことができました。本当にありがとうございました。
 これからの學進会のますますのご発展をお祈りしています。