神戸大学 医学部(看護)

私は生まれたときから文系でした。文字を読むことや文章を書くこと、話すことは得意、パズルや足し算が苦手。
 そんな私が理系、しかも国立大学を目指すことは、決して容易な道ではありませんでした。
 上手く届けられるかは分かりませんが、少しだけ…私の話をします。

★進路変更は「逃げ」じゃない

 高校一年生の時、私は医学科に行きたいと漠然と思っていました。面談の時、塾頭に「なぜ医学科?」と訊かれても上手く返事ができないほどに。もちろん成績も足りず、模試では毎回E判定やD判定でした。それでも懲りずに、1年生の半ばまではその目標を掲げ続けていました。中学の時、成績上位だった思い出が抜けず、過去の栄光にすがり続けていたというのもあったかも知れません(笑)
 どうしようかと、ある日思いました。このまま粘り続けるのか?それとも進路を変更するのか?このとき私は、進路を変更することは「逃げ」だと考えていました。変なプライドと現実とに板挟みになって、かなり苦しい時期でした。そんな時期に、母が小さな私を育てていたときに残した育児日記をたまたま発見して読んだのが、看護学部へ進む決め手となりました。育児の悩みを相談する人がいなくて困ったこと、夜泣きが酷いせいで心身ともにまいったこと。
 私がやりたいのは、頑張るお母さん達を支えることだと、このときハッキリ思いました。
 それから職業から逆算して学部を決め、ストンと心が軽くなったことを覚えています。

 ここで言いたいのは、当たり前のことですが、視野は広く持つべきだということ。人生、わりと無駄なことは少ないのかも知れないということ。
 前者は、塾の先生が助けになってくれます。いろいろな進路を提案して下さるので、1つの道にこだわることなく考えてみた方が良いでしょう。
 また、勉強ばかりするのではなく、身の回りに転がっていることに関心を払うことも重要です。誰かと話をしているときに、思わぬ自分の関心事を見つけるなんてことも十分起こりえます。

★永遠の敵は数学

 進路変更をする前から、私の課題はもっぱら数学でした。模試を見せに行くと、どの先生にも『数学頑張れ』と言われました。1日の自習時間をほとんど数学に費やしましたが、それでも上がらない数学力。こんなことを言ったら花田先生に怒られると思って言いませんでしたが、当時、学校外での英語の勉強は週2回の塾の授業だけでした。
 二次関数も数列も…他の人はできるのに、私はできない。半泣きになりながらペンを走らせたことも、今となってはいい思い出ですが、当時は死ぬほど辛かった…。
 そして高2の夏頃、模試で急に数学の点数が跳ね上がりました。あまりの急さに信じられなくなり、体調を崩したほどです。まさに(見える……見えるぞ! 解法が浮き上がってくる……!!)状態でした。努力が報われた瞬間を、あのとき確かに味わいました。
 その後、足を引っ張る科目が減ったため、模試を見せたときに塾頭に提案される学校のランクがどんどん上がっていったのは、ヘタレの私からすると少し怖かったです。

 しかし、センター、二次試験ともに終えた今だから言います。
 数学は裏切ってくる。

★自分の戦い方を知る

 先に書いたとおり、数学とはイマイチ仲良くなれませんでした。幸い、私は英語や国語が得意だったので、それを得点源になんとか頑張りました。これらの科目はあまり点数が上下することなく安定するので、強みを作れたのは大変心強かったです。
 理系の友達がみんな数学で点数をとっている中、私1人だけ文系科目に命をかけている。そんな状況でした。
 周りを見て不安にならない、強いメンタルが受験にはとても重要です。塾の先生の言うことを信じましょう。

★お豆腐メンタルでも頑張る

 私のメンタルはお豆腐でした。
 とにかく打たれ弱い。くらったダメージを自分で勝手に増幅させるという特殊スキルを持っていました。言われたことを勝手に深読みして、悪い方に自己解釈する。
 こんなことは絶対にやらない方がイイと分かっていても止まらない負の思考…。センター試験前は情緒不安定になり、晩ご飯を食べている途中に急に涙があふれてくる、なんてこともありました。
 プレッシャーに弱いお豆腐でしたが、周りの人に支えられて頑張ることができました。辛いときは、友達にギュッと抱きしめてもらう。それだけでもかなり楽になります。オススメです。

 みんな試験はいやなんです。人生かかったテストを好んで受けたがる変態なんていません。いつも飄々としているあの子だって、きっとストレスでお腹が痛くなったり、気分が悪くなったりする日もあります。イヤなのは自分だけじゃない!これでかなり救われます。

★背水の陣も悪くない(かも?)

 私立の公募推薦は無事合格。けれどもその時、私は何かに取り憑かれていて、謎の自信に満ち溢れていました。
「別に私立の滑り止めなんてなくても、国立受かるから大丈夫」
入試手続きもしないまま、センター試験をむかえ、結果はちょうどボーダー。友達がどんどん滑り止めを確保していくのを横目に、一心不乱に生物の資料集とにらめっこしていました。
 二次試験は全くできた感覚がなく、合格発表までの2週間は、正直拷問にも近かったです。これに落ちたら、後期の少ない枠を争わないといけない…。大好きなゲームも手につかず、これまでの人生で一番無益な2週間を過ごしました。

 しかし、いま考えると、それで良かったのかも知れません。落ちたら後がないから(厳密に言うとあったのですが)前期試験に全力投球する。あそこで私立の滑り止めがあるからと安心し、少しでも気を抜いてしまっていたら、発表の時に自分の受験番号を見ることは無かったかもしれません。
 でも、その分誰よりも合格発表までの待ち時間にかかるストレスが大きいので、滑り止めがないのもやっぱり考えものですが…。怠け癖のある人には、背水の陣作戦をオススメします。

★最後に

 私にとって學進会は第二の家です。
 先生方や奧さんの「こんにちは」で気合いが入り、「さようなら」で1日が終わったなと思う。
 學進会は、勉強への士気を上げてくれるだけの場所ではなく、ちゃんと自分を見ていてくれる人がいるんだということを感じさせてもらえる場所だと思っています。
 塾へ行けば、同じように頑張っている人がいる。自習室の丸机に座る人たちは同志です。
 この塾に入って本当に良かったと、お世辞でもなんでもなく、心の底から思います。

 最初に少しだけ私の話をすると言いましたが、全く少しではありませんでした…。3年間を短く紙にまとめるなんて、無理な話です(笑)

 みなさんは、これからも學進会を信じて頑張って下さい。応援しています。
 ここまで長々とすみませんでした。お付き合いありがとうございました。

授業を持っていただいた先生方へ

★塾頭先生
 本当に3年間ありがとうございました。「進路のことは全部塾の先生に指導してもらうので」学校ではこう言っていたため、私の担任は塾頭だったも同然です。こんなところでお礼を言い切れるわけもなく、頭が上がりません。
 最後に合格報告で先生と握手をしたとき、泣きそうになりました。早く帰ったのは、涙を見せないためだったんです(笑)

★花田先生
 たくさんお世話になりましたし、迷惑もかけました。数学も英語もたくさんポンコツ解答してきましたが、なんとか合格できました。最後の最後まで英語に助けてもらい、先生には感謝しかありません…。数学に関しては……その……すみません。私の手には負えませんでした。

★東先生
 国語は私の命綱でした。センター直前に国語不調期がやってきたのは、さすがに驚きましたが…なんとか持ち直しました。小論文は結局使いませんでしたが、これから必ず活きてくると思います。塾の授業で一番好きなのは、小論文でした。本当にありがとうございました。

★桐村先生
 本当にお世話になりました。ポンコツ化学は最後までポンコツでした(泣)それでも、学校の授業で嫌いになった化学を少し持ち直せたのは、先生のおかげです。授業中の先生の脱線話がスゴく好きでした。

★田中先生
 この間もお散歩中の先生を見かけました。センターで一番点数が良かったのは倫理政経でした!これからもお散歩とおしゃべりをして、元気でいて下さい。

★栗林先生
 リスニングはお世話になりました。本番では見事にパニックになって、あまりイイ点数がとれなかったのが心残りですが…無事に受かったので、ヨシとして下さい!
 英作文を見てもらう予定でしたが、行けずにすみませんでした…。

★田村先生
 リスニングの授業、ありがとうございました。自習室で先生の成長を見守ってきました(笑)受験期は先生と共に成長できたと思います。これからも學進会で頑張って下さい。學進会はとってもイイ塾です!!

★片山先生
 先生にこの結果を見せたかったです。一年生の数学の結果がふるわなかった時代、模試を見ていただいたときにかけてもらった言葉を胸にずっと頑張ってきました。「やり方は悪くない。このまま頑張れば、いつか必ず成績は伸びる」あのときの私は、この言葉にスゴく救われました。ありがとうございました。

★奧さん
 長い間見守っていただき、ありがとうございました。本当にお母さんのように思ってました。これからの私に必要なものは、奧さんのパワフルさと愛嬌です!

本当にありがとうございました。
また一廻り大きくなって、帰ってきます!!