京都大学 農学部

學進会で学んだ小学5年から高校3年までの約8年間と(學進会での)浪人時代の1年間を振り返って拙い文章ながらも合格体験記を綴りたいと思います。
 また、国公立難関大で不利とされる生物を選択したレアケースとして同じような境遇の誰かの参考になれば幸いです。

★入塾から本番直前まで

 私は小学校5年頃に入塾しました。当初は勉強がそもそも嫌いで、両親に言われるがままに通塾していました。
 小学6年も終わる頃、姉の受講時間の方が長かったため、姉のことを自習スペースで宿題をしながら待つようになりました。その習慣が中学生になってからも続き、自然に私の勉強時間は増えていました。この習慣のおかげで中学生になってから一気に成績が上昇し、このことが私の勉強に対するモチベーションを高めることになりました。ここで皆さんにアドバイスをするとしたら、中学生は高校生に比べて勉強量も勉強をする人も少なく、やればやるだけ結果が付いてきます。ですから勉強するなら中学から始めるに越したことはなく、さらに中学生からの習慣として英語は読むだけでなくきちんと書いて覚えておくべきということです。というのも、中学生の授業を2年のうちに終えて呑気に構えていた私は、高校になって中学生レベルの英単語が綴れないという深刻な悩みに陥りました。取り戻すのにかなり苦労した事は言うまでもありません。受験では書けて読めてなんぼです。
 中学2年の終わりに(当時は共栄中の学生のみ飛び級システムがあった)受けた學進会の選抜試験では上位に食い込み、先輩方に交じり高校の授業を受けるようになりました。ところが得意だと思っていた数学がすぐについていけなくなり、これはまずいと思った私は夏休みを利用して数学と国語の授業ノートを全部まとめ直しました(と言っても写し直しただけですが)。
 これが効果てきめんでした。どうやら覚えていると思っていたのに実は覚えていないことだらけだっとことに気付けたからです。
 塾頭が黒板に書く◎…はどれもこれも二次試験などで迷ったときに本当の切り札になるものだし、解答を作るときに減点を最小限に抑えるための必須事項だし、普段から頭の動かし方の指針になります。
 そして、国語(特に古典漢文)は、勉強量と反復の頻度がそのまま点数に反映されることも実感しました。東先生が授業中に言ったこと書いたことも授業前後に何度も復習したりしました。

 それでも高校2年の冬頃まではかなり悠長に過ごしていて、受験については何も考えずに学校と塾をただこなしてるといった感じでした。

 
★本番

 京大農学部の配点では、センターの地理がそのまま加点される為とても重要なのですが、得意だと思っていた地理でまさかの大爆死しました。
 二次試験では、このミスを挽回しようと意気込んでいましたが、結果は不合格に終わりました。
センター試験では配点の比率の高い科目に重点をおくべきだと言う認識が不足していたこと、二次試験では計画的な対策法が立てられなかったことが敗因だと分析しました。

★神大受験について

 高3末の三者面談で塾頭に後期の神戸大学なども受験する様に助言されました。京大がダメだったら浪人するつもりだったので、「神大に受かったら気持ちが揺れるんじゃないかな」と私が言うと「その程度の意思ならば第一志望の京大にはたとえ浪人しても受からない!」と叱られました。
 後期の神大に合格する事ができ塾頭に報告すると、今度はすかさず「仮面浪人できるかすぐ調べなさい」と言われました。
 
後期神大に受かった事実は、2年目の受験で京大受験だけに集中することが出来ただけでなく浪人中に自信を失いかけたときの私の心の支えとなりました。

★浪人時代

 新年度はすぐに塾頭に相談し、前年も受講していた数Ⅲとハイレベル数学とpassing英作文の3つに絞って受講しながら前述の分析に基づいて年間計画をしっかり立てて宅浪することにしました。
 塾では同じ授業のはずなのに1回目と2回目とでは理解度が全然違っていました。さらにこの学年は周りのレベルも格段に高く、「こんな自分じゃ年上としての沽券に関わるぞ」と危機感を持って取り組めました
 家では、満点を狙うつもりでとにかくセンターの地理も勉強しました。
 塾頭には、「浪人生でセンターが現役より上がるのはたった一割の人間や」と言われたのを心に留めて、1年を通じて去年足りなかった二次力を上げつつセンターも出来る限り演習しました。

★2度目の本番

 2年に及ぶセンター演習は何しろ苦行で楽しくない。だから、センター試験本番では緊張よりも「やっとセンターから解放される~~」という喜びの方が大きかったです。結果、総合得点では前年より僅か12点UPでしたが作戦通り配点の高い地理が上がったため、京大換算では1年目より20点以上アドバンテージが取れました。
 センターが終わってからの一ヶ月は、センター前から続けてきたことをとにかく淡々とこなしました。
 
 1日目の国語は良い感じでしたが、次の数学は全然解けなすぎて焦りました。それでもポジティブな私は、「こんなに難しかったらみんな解けない、点差はつかない」と開き直り、0完であれども塾頭の◎を思いつつ必死で部分点を漁る努力をしました。
 そして迎えた2日目の英語の冊子を開けて驚愕しました。前日の夜、栗林先生からいただいていた自由英作文の手紙文のあたりを何となく眺めていたのですが、驚いたことに手紙文の自由英作が出題されていたのです。これは大きかったと思います。
 最後の理科では、前半で解けるところから生物を解いていき、後半で化学に取り掛かりましたが、これまたあまりの難しさに往生しました。ここでも私は開き直り化学をすっぱり諦め、後はもう一度残された多くの時間を生物に充てました!化学はあっても30点位と予測していたので二次試験の開示を見て理科の合計が111点だったので生物が80点以上だったであろう事はちょっと自慢です。

 
★生物受験者として

 ここからは生物で難関大受験した者として赤裸々に書きます。
 高校生になると、自分の進学先に必要な受験科目や、推薦入試等に必要な履修科目等のために、科目選択を要求されます。塾頭に「生物は物理受験者に比べて10点マイナスを覚悟しなければならない上に、大学に入って物理の授業で苦労する」と言われ、学校でも「難関大学受験者は物理を取るように」と言われ自分では何も考えず物理を履修しました。
 ガチガチの理数系ならば物理で良いかもしれないですが、物理が超苦手な私にはこの決断は実は厳しいものでした。京大受験をするということは、苦手でなくなるどころか得意だと言えるレベルでなくてはならないということがこの時解っていなかったのです。
 そして高2のある日「1年半やったけど物理の気持ちがやっぱりわからない!!」と洩らすと、「じゃあ生物にしたら?」と母にあっさり言われました。初めての5教科模試まであと3週間のことでした。塾頭と桐村先生にこの旨を報告に行き、生物の教科書を買い、生物基礎から勉強を開始しました。学校の休み時間などを利用して教科書を読み進めて3週間後に受けた模試では生物が全国40位台に入り「コレはキターーーー!!」と思いました。私はそこから嬉々として生物の勉強を進めました。が、限界があります。受験者がそもそも少ない為、學進会での開講もなく、ネオスタディ等も探してみましたが難関大生物のインフラがそもそもありません。学校の授業も開講されるギリギリのラインで、学校によっては履修できない可能性もあります。そこで私は大手オンライン予備校の在宅授業を受けるという方策に出ました。むしろ生物が不利な理由ってこういうことなんですかね…。
 人それぞれ得意不得意はあるので、不利な10点をカバーできるほどのポテンシャルがあるならば、生物を選択するのも一つの手だと今ははっきり確信しています。
 理科はあくまで副教科で、主要3科目と違ってセンターでも二次でも配点は低くなる傾向があり、理科だけに力を入れすぎないことも重要です。
 それでも、生物はどう勉強すればいいのかと疑問に思う数少ない生物受験の後輩たちに今、私が言えることは、まず教科書を徹底的に理解してから正確に覚え切ることです。理解があっての暗記です。生物の理解の裏打ちには、生物とはなんぞやと言う暗黙の共通原則みたいなのがあり、教科書の後の方にある「進化」の単元辺りがその原則の性質や理由をほのめかしています。英単語帳として花田先生にお勧めされるリンガメタリカに簡潔に進化論が書かれているのでこれで知識を入れておくのもアリだとも思います。頼れるものも少ない生物受験者に言いたいことは山のようにあるのですが、長くなるので以下に留めるまでにしておきます。

*教科書以外は信用しないこと!
*くれぐれも生物オタクにならないこと!
*自分の頭で考える習慣をつけること!!!
 これに限ってはどんな教科でも重要ですが。

私は教科書や教科書に準拠した参考書の他に、京大の出題傾向を踏まえ、新課程の教科書では簡略化されている遺伝の計算問題について練習する必要があったためこの分野だけは新課程の教科書内容から外れて勉強しました。大学の傾向を知っておくことは重要です。使用した参考書は受験Do出版の物です。

★終わりに

 素晴らしい先輩や後輩がいて、何といっても勉強に集中できる學進会の学習空間と先生方の導きにより、私の人生は大きく動き出しました。その結果、自分のやりたいことに近づけたと思います。本当にありがとうございました。

 これから受験するみなさんは、共通テストや新型肺炎など先が見えない大変な状況ですが、第一志望合格を掴み取ってください。心より応援しています。